治験で使用されるプラセボとは

プラセボとは、本来は効果がない薬(偽物)であっても、治療を受ける患者が「本物の薬である」「この薬を飲んだら病気が良くなる」というような思い込みで症状の緩和・改善・回復といった効果が期待できることです。ここでは日常生活で役立つプラセボ効果と治験におけるプラセボの役割を見ていきます。

日常生活で使えるプラセボ効果

日常生活において、プラセボ効果は大いに役立ちます。

食事の栄養吸収効率がアップする

食事の際に「今日は疲れているから、しっかりと栄養のあるものを食べて元気になろう!」と意気込むことで、後から身体の疲れがとれたり、元気になったりする感覚を味わったことがある人は多いはずです。まさにそれがプラセボ効果といわれるもので、願って食べると自然とそのように感じられます

また「1人の食事よりも大人数で楽しく食べたほうが楽しい」と考えている人は、1人のときと大人数のときで同じものを食べていても、大人数で食べたときのほうが栄養の吸収効率がアップする、とされているようです。

相手の発言が素直に受け入れられる

自分がこうなりたい、と憧れる人の発言は、自然と受け入れられるものです。実はこれもプラセボ効果が関係しており「この人が言うことなのだから、自分も上手くいくはずだ」という思い込みが生まれます。

その思い込みによって前向きに物事に取り組んだり努力したりするようになり、成果が上がっていくのです。

治験でのプラセボ効果の役割

治験でも、プラセボ効果は大きな役割を持っています。全く効果がないといわれている薬と比較することによって治験薬が有効である、と科学的に証明できるでしょう。

何を飲んでいるのかがわかってしまうと、心理的な影響が及んで正しいデータが得られなくなります。そのため、外見上はどの薬が本当に薬の成分を含んでいるのか、参加している人の誰もがわからないようになっています。

もちろん、病気や症状によっては全く効果がない薬を使ってしまっては命の危険がある、という場合において、無理にプラセボを使うことはありません。あくまで今まで使っていた標準的な薬をベースとしながら、それにプラスしてプラセボを使う人と治験薬を使う人を比較する、というようなやり方で治験を行っています。

治験におけるプラセボ対照試験

治験でのプラセボ対照試験は、科学的な効果を証明するために適した方法として用いられています。

プラセボを飲む人がいなければ、実際の治験薬の効果を正しく評価することができません。上記でお話ししたように、誰がプラセボなのかどうかは誰にもわからないようになっており、担当する医師や看護師であっても知らない状態で行われます。

プラセボ対照試験には、参加者が研究内容を理解して同意している・科学的な必然性がある・試験期間中の治療を中心することで深刻な問題が及ばない・有効性が確認できる見込みがある・研究がある程度の段階まで進んでいる、などいくつか条件が求められています

こういった条件を踏まえて、治験薬の有効性を確かめるためにプラセボ対照試験は行われているのです。

治験支援システム比較はこちらから

     治験支援システム PICK UP

このサイトをご覧なら、治験業務の負担を減らす支援システムの導入を検討中だと思います。治験のシステムといえば「CTMS(治験管理システム)」を連想するかもしれませんが、CTMSはマネジメントの要素が強いため、「モニタング業務の負担軽減」「文書管理を自動化したい」といった目的が他にあるのであれば、各目的に特化したシステムの導入も検討してみてはいかがでしょうか。運用目的にフォーカスされている分、より低コストで運用できる高機能なシステムが見つかるはずです。

特にニーズの高まっている3つの目的に関してピックアップしてご紹介します。

モニタリング業務の
負担を減らしたいなら

例えばこんな機能

●リアルタイムでデータ収集の進捗・逸脱を確認できる
●各施設・各患者の状況が一目でわかる
●モニタリング報告書がほぼ自動的に作成される

モニタリング業務システム
の比較はこちら

文書管理の
負担を減らしたいなら

例えばこんな機能

●各ガイドラインに沿った文書をほぼ自動で作成する
●電子署名や版管理機能などがあり文書をデータ上で管理できる
●PDFやExcelで出力できる

文書管理の負担軽減
システムの比較はこちら

EDCを導入したいなら

例えばこんな機能

●電子症例報告書(eCRF)の作成や既存データの転記ができる
●患者への説明や承諾を得る作業が同一システム内で完結できる

EDCシステム
の比較はこちら

関連ページ

CTMS Media ~国内の治験・臨床研究支援システム情報まとめサイト~

知っておきたい治験・臨床研究の基礎知識
臨床研究の種類
GCPとは
治験とデータインテグリティ