GCPとは
GCPとは「Good Clinical Practice」の略称です。治験を行う製薬会社や病院、医師は「薬事法」という法律や、国が定めた医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」という規則を守らなければなりません。この省令が「GCP(Good Clinical Practice )」と呼ばれているものです。
この規則は欧米諸国をはじめ、国際的に認められています。
※情報参照元:厚生労働省 2.治験のルール「GCP」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu2.html)
※情報参照元:Master Control 臨床試験でありがちな5つのGCP違反(https://www.mastercontrol.co.jp/news/detail.php?no=NjAz)
注意すべきGCP条項
治験実施計画書の遵守
治験を行う製薬会社は、治験を担当する医師が合意を示した「治験実施計画書」を厚生労働省に届け出て、これを遵守する必要があります。治験実施計画書とは、薬の副薬量や回数、検査内容・時期などが記載された文書のことです。
例外処理やプロトコル違反は適切に文書化されている必要があります。資格を満たしていない被験者を治験に参加させることなどはよくある指摘の一つ。
臨床試験の記録
臨床試験を行う際には、全てのデータを適切な記録や取り扱い・保管をすることが求められています。特に被験者の記録については機密性が高いのが特徴。 記録は常に安全な状態で保管し、紛失・差し替え・処分は厳禁です。
臨床試験の記録をもって診断や包含、除外基準が確認できる必要があり、医師が監督している証拠が確認でき、被験者のカルテや病歴に記載されている情報が研究記録と一致しなくてはなりません。
インフォームド・コンセント
インフォームド・コンセントとは、患者の自由な意思にもとづいているかどうかを確認するための、説明と同意のことを言います。インフォームド・コンセントには研究対象者の署名や日付が記載されており、署名と日付は実施される前である必要があります。IRBが承認した最新のインフォームド・コンセントを使用する場合には、そのプロセスを同意を得るためにそのプロセスを記述した適切な文書に従う必要があります。
また、インフォームド・コンセントは対象者が理解できる言語で書かれている必要があります。
治験薬の管理記録
記録は過去にさかのぼって記入することはできません。治験薬の保管状態は常に監視され、アクセス状況は管理及び記録されている必要があります。
有害事象
被験者の安全にかかわるため、重篤な有害事象(SAE)の報告は非常に重要です。タイムリーに報告されなければならず、症例報告書以外にも被験者の記録にも記載する必要があります。また、全ての異常は治験責任医師によって検討し、対処する必要があります。