TMFとは

TMFとeTMFの違い

TMFの意味

TMFは「Trial Master File」の頭文字で、ICH-GCPで規定しているEssential Document(必須文書)に、治験の実施及びデータの品質に対する評価を補助する文書を加えた治験関連文書から成る文書群のこと。

たとえば、「平成25年2月14日事務連絡 治験にかかわる文書又は記録(治験に関わる文書等)」(必須文書≒Essential Document (ICH-GCP))や、「平成26年7月1日事務連絡」(GCP省令に基づき治験依頼者等と実施、医療機関の長及び治験責任医師との間、実施医療機関の長と治験審査委員会との間で授受される治験関連文書)などがありますが、一般的に「治験関連文書」と訳されることがほとんどです。

eTMFとは?

eTMFは「Electronic Trial Master File」の頭文字で、電磁的記録で構成されるTMF のことをいいます。

⽂書管理の負担を
軽減するシステム

▼スクロールできます▼

製品名 検索機能 版管理 ER/ES指針
に準拠
電子署名 承認 データ
保管
QLIFICA eTMF
アガサ(Agatha)※Agatha eTMF
Vault eTMF - - - -
カット・ドゥ・スクエア - - -
BIGVAN - - - -
Rave eTMF - - - - - -
※公式サイトに記載のある機能に○印をつけております(2022年3月調査時点)。

文書管理システムは複数の製品がありましたが、「Agatha(アガサ)」は知名度の高さに比例し、文書管理にあるとうれしい機能を多く搭載しています。 同じく「QLIFICA eTMF」も文書管理に関する機能を多く搭載しており、効率的に文書を管理することができます。

TMFの定義は?

「Essential Document(必須文書)+治験の実施及びデータの品質関する文書+製薬企業各社が独自に判断した文書」です。

なぜeTMF(電磁的保管)が必要になっているのか

紙ベースから、なぜeTMF(電磁的保管)が必要になっているのかというと、規制当局による動向変化と規制強化や治験のIT化促進(治験手続きの電磁化等)、システムベンダーの増加などの、外的要因があるからです。規制当局による動向変化と規制強化は主に海外で、 査察官の求めに応じた速やかな文書提示が必要で、TMFの完全性、適時性、品質が求められます。治験のIT化促進については、平成26年7月1日事務連絡があり、製薬協の手続きの電磁化検討会(SOP等の提供)が開かれました。システムベンダーの増加は、国内ベンダーを含め、選択肢が広がったことや、クラウドなどの技術革新によるものです。

日本では、紙の資料の郵送代や時間は、海外と比較すると負担は少ないため、eTMF(電磁的保管)の導入の費用対効果への疑問もあり、「結果よければ全て良し。」という出口管理的な考え方から、eTMF(電磁的保管)はあまり普及して来ませんでした。しかし、既に治験届出の42%が国際共同治験であり、その他の内的要因により、eTMF対応が求められているのが現状です。

eTMFの必要性の内的要因としては、国際共同治験の増加やTMF保管状況の中央管理、アジア治験を日本が統括管理するケースも増加、CROへの業務委託の増加、実施中の業務確認、依頼者への効率的な書類移管、企業合併・共同開発・開発品の導出入の増加、効率的かつ正確な書類移管策などの様々な業務があり、紙で管理することに限界が来ていることが挙げられます。

紙の限界には、以下のものがあります。

こうした各種リスクへの対策のため、eTMFへの移行が求められています。

治験支援システム比較はこちらから

おすすめの治験管理
・支援システム
(CTMS)
【機能別】
おすすめシステム3選

被験者管理や進捗確認、文書対応、監査準備など、治験業務に伴う煩雑な作業を支援し、効率化と法規制対応を実現する治験支援システム。 ここでは、モニタリング・文書管理・EDCの主要機能別に、実績と信頼性のあるおすすめ3システムをご紹介します。

モニタリング業務向け
(治験の実施状況確認・報告)
QLIFICA
(SOLUMINA)
SOLUMINAのキャプチャ

画像引用元:SOLUMINA 公式HP(https://solumina.co.jp/service/#qlifica)

例えばこんな機能
  • 施設・症例・CRA単位で進捗をリアルタイムに見える化
  • チェック内容から報告書を自動作成、承認も一括完了
  • 課題の対応状況を履歴付きで一元管理、監査対応も容易
  • 複数施設の進捗と履歴を即時に把握し、作業漏れを防ぐ。
  • 文書・IRB・監査対応まで一括管理し、全体業務を効率化。
文書管理業務向け
(治験関連文書の保管・共有)
Agatha
(Agatha)
Agathaのキャプチャ

画像引用元:Agatha 公式HP(https://www.agathalife.com/)

例えばこんな機能
  • 文書ごとの承認状況をリアルタイムで一元管理
  • 電子原本として保管し、法規制や監査に対応
  • 試験や組織単位で柔軟に文書構成を設計・運用可能
  • 契約書や申請書類の承認・版管理を統一し、整合性と履歴を正確に管理
  • 原本性を保った電子保管で、GCP・ER/ES対応を文書単位で実現
EDC業務向け
(電子症例報告)
CapTool® シリーズ
(メビックス)
メビックスのキャプチャ

画像引用元:メビックス 公式HP(https://www2.mebix.co.jp/services/edc/)

例えばこんな機能
  • 入力内容に応じて画面項目を自動制御
  • 入力時に整合性エラーを即時にチェックして通知
  • クエリ対応履歴を一覧表示し進捗を共有
  • 入力作業がスムーズになり、記入ミスや作業ストレスを減らせる
  • DMや統計担当者とのやりとりが明確になり、確認・集計の手戻りがなくなる

関連ページ

CTMS Media ~国内の治験・臨床研究支援システム情報まとめサイト~

知っておきたい治験・臨床研究の基礎知識
治験審査委員会(IRB)とは
混同されがちな精度管理記録や保守点検記録について
治験と臨床試験の違いとは?