治験を行うにあたり、さまざまな準備が必要になります。その中の一つが「インフォームド・コンセント」です。 なぜ、インフォームド・コンセントが必要なのか、どのような流れで行うのかなどについて解説します。
インフォームド・コンセントの必要性
インフォームド・コンセントは、治験者が治験の内容について十分に理解し、納得したうえで治験に取り組むために行うものです。そもそもインフォームド・コンセントとは何かというと、医師などから治験に関する説明を受けて内容を確実に理解し、自らの意思で治療に同意することを指します。 インフォームド・コンセントが不十分なままで治験に取り組んでしまった場合、あとから治験者との思わぬトラブルにつながってしまう恐れもあります。治験では新薬に関する試験を行うことになるので、治験者の同意を得ることは欠かせません。
治験におけるインフォームド・コンセントの流れ
治験におけるインフォームド・コンセントでは、はじめに医師から丁寧な説明を行うことになります。ただ口頭で説明するのではなく、説明文書を添える形で説明が必要です。 どのような目的で治験を行うのか、どういった薬が使われるのかなどに関する説明です。
中には医師からの説明が不十分だったり、わかりにくいと感じたりする方もいるでしょう。こういった場合、医師は納得できるまで質問を受けることになります。
説明を聞いて理解を深めたうえで治験参加候補者が行うのが、治験に参加するかの検討です。治験を受けるかは本人の自由なので、参加を希望する方のみが同意文書にサインすることになります。
インフォームド・コンセントのQ&A
インフォームド・コンセントでよくある疑問を解説します。
インフォームド・コンセントで最も重要なこととは?
インフォームド・コンセントにおいて特に重要とされているのが、医療チームと治験者がコミュニケーションをとることです。信頼関係を築いたうえで治験に取り組めるように十分な話し合いを行い、コミュニケーションをとる必要があります。
サインした後に心変わりをしてもいいのか?
一度治験に参加する同意のサインをしたら変更ができないと心配する方がいますが、途中で不参加に変更することも可能です。 治験への参加を取りやめたからといって従来の治療が受けられなくなるなどのデメリットはありません。治験への参加を決めるのは本人なので、医師などに気を遣う必要はないと考えましょう。
主治医が決断することもあるのか?
治験への参加を決断するのは、本人となります。患者の症状についてよく理解している主治医であれば、アドバイスなどは行ってくれるでしょう。 ですが、治験では新薬などに関する試験を行うこともあり、どういった効果が期待できるのか、結果が得られるのかについては主治医でも確実にはわかりません。
そのため、主治医から治験を強要されたりすることはありません。あくまで自分の意思で受けるのが治験です。