治験のエンドポイントとは、治験における一つの評価項目です。ここではエンドポイントとは具体的にどのようなものなのか、その概要と種類について解説します。
治験のエンドポイントとは
エンドポイントとは、治験における治験薬の有効性や安全性をはかるための評価項目です。介入による効果を判定する最終的な到達指標の意味で使用されます。介入による全ての効果をアウトカムと呼びますが、エンドポイントは最終的な効果判定あるいは試験終了するための結果である点に違いがあります。
エンドポイントは事前に試験実施計画書に記載する必要のある項目です。実施する試験の目的に応じで「プライマリー エンドポイント(主要評価)」、「セカンダリーエンドポイント(副次評価)」に分けて設定する場合もあります。
治験におけるエンドポイントの種類
治験におけるエンドポイントは「真のエンドポイント」と「代用エンドポイント」の2種類あります。
真のエンドポイント
真のエンドポイントは本来求めたい評価項目であり、客観性・普遍性が認められます。死亡率の低下や疾患の発症率の低下、QOLの向上、副作用の低減などが当てはまります。これらの項目は治療中の短期間での計測が難しいため、実際のエンドポイントとなることはほとんどありません。
代用エンドポイント
真のエンドポイントを予測し得る暫定的な評価項目で、治療期間でも計測できます。具体的には血糖値や血清脂質値、腫瘍サイズ、血圧など。代用エンドポイントは、実際のエンドポイントとなることも多いです。代用エンドポイントが複数ある場合、臨床上意味があり客観性が強い順に優先順位をつけ、優先順位の高いものを「プライマリーエンドポイント(主要評価)」、それら以外の項目を「セカンダリーエンドポイント(副次評価)」といいます。
エンドポイントの妥当性と信頼性が重要
エンドポイントは治験の評価項目となるため、妥当性・信頼性のある項目の選定が重要です。エンドポイントには複数のタイプがあります。例えば発症率や死亡率、再発率などの「比率」を見るもの、生存期間や再発までの時間といった「時間」を見るもの、血圧値の低下やコレステロール値の減少といった「数値」を見るもの、症状の緩和などの「変化」を見るものなどです。
QOLをエンドポイントの指標とする場合も増えてきていますが、QOLは主観的要素が強いため、評価の仕方が問題となる可能性があります。またエンドポイントを評価するための観察に時間がかかる場合には臨床検査や生理学指標などの代用評価項目が用いられることもあります。しかしこの場合、効果のエンドポイントと代用評価項目で食い違う結果となる場合があるため注意が必要です。
評価項目の選定は妥当性・信頼性を重視しましょう。