治験コーディネーター(CRC)はどのような仕事?
製薬会社が新薬の開発を行う際、人体に対する新薬の安全性等を評価するために治験を行います。新薬の開発におけて、最も重要な工程の一つである治験ですが、CRC(治験コーディネーター・Clinical Research Coordinator)は 、この臨床試験が円滑に行われるように、被験者、担当医師、製薬会社の間で調整を行う仕事です。
具体的には、
- 被験者への治験内容の説明
- 被験者の心的負担を軽減するためのケアやサポート
- 被験者の来院スケジュールの管理
- 検査・投薬日の管理
- 治験業務フローの作成
- 関連部門間での調整
- 治験担当医の補助
- 製薬会社への各種報告
など、幅広い業務を担当しています。
治験コーディネーター(CRC)の仕事の流れ
一般的に、新薬の開発には10年以上の歳月が必要となり、また、治験にも数ヶ月〜数年の期間が必要となります。したがって、 治験コーディネーターは、基本的には一度に一つの治験を担当することになります。
治験コーディネーターの仕事を流れを大雑把に解説すると、以下のようになります。
- 治験準備時
治験の実施の前の段階で、「治験実施計画書の把握」、「スタートアップミーティングでの補助」、「検査に使う機器の管理」を 治験コーディネーターは行います。 - 治験実施期間
治験実施期間中には、「被験者の募集(スクリーニング)」、「被験者に渡す治験の概要説明文書および同意書の作成」、「被験者のスケジュール管理および対応」、「症例報告書(CRF)の作成」、「有害事象への対応」を治験コーディネーターは行います。 - 治験終了時
治験修了時には、治験コーディネーターは「治験終了報告書の作成」を行います。
治験コーディネーター(CRC)に求められるスキル・資格
治験コーディネーターとして働くために、特定の資格は必要ありません。とはいえ、薬学や医学に関する知識が必要不可欠となる職業であるため、薬剤師や看護師、臨床検査技師といった医療系の国家資格や、病院勤務経験があると望ましいと言えます。