こちらのページでは、治験届のルールについてご紹介しています。治験届におけるルールの「30日ルール」や「14日ルール」について詳しくまとめていますので、しっかりと理解しておきましょう。
この2つのルールにはどのような違いがあるのかを把握することによって、自分たちが提出しようとしている治験届にはどちらのルールが適用されるのかわかりますので、ぜひ確認してみてください。
GCPにおける治験届提出時期の基本的理解
治験届を提出する時期に関するルールは、「30日ルール(30日調査)」と「14日ルール」の2つがあります。この2つのルールに言及する前に、GCPでは治験届の提出時期についてどのように定めているのかを見てみることにしましょう。下記に記載されている内容は、医療機器のケースになります。
「当該届出に係る治験の計画が法第 80 条の2第3項後段の規定による調査の対象となるものについては、治験を行う医療機関との予定契約締結日の少なくとも 31日以上前に届け出ること。なお、当該届書が受理された日から起算して 30 日を経過した後でなければ治験の契約を締結してはならないこと。また、当該調査の対象外となるものについては、治験を行う医療機関との予定契約締結日の少なくとも2週間以上前を目安として届け出ること。」
引用元:厚生労働省医薬食品局[PDF]機械器具等に係る治験の計画等の届出の取扱い等について
上記の内容では、「30日ルール」「14日ルール」「法第80条の2第3項後段の規定による調査」という2つのルールと1つの調査に関する言及が行われています(14日ルールについては、引用文内で「2週間以内を目安として届け出ること」と記載されています)。
治験届30日ルールと14日ルールの違いとは
続いて、上記で紹介した、治験届の「30日ルール」と「14日ルール」とはどのような内容なのかを見ていくことにしましょう。治験届のこの2つのルールの違いは、「法第80条の2第3項後段の規定による調査」が必要かどうかによって異なります。
ここで、「法第80条の2第3項後段の規定による調査」とはどのような調査なのかを見てみましょう。
「法第80条の2第3項後段
厚生労働大臣は、当該届出に係る治験の計画に関し保健衛生上の危害の発生を防止するため必要な調査を行うものとする。」
引用元:厚生労働省[PDF]医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
治験を実施する医療機関がPMDAに治験届を提出した後、PMDAでは30日間をかけ、被験者にとって保健衛生上の危害が発生しないかどうかをしっかりとチェックします。ちなみに、PDMAの調査の結果、必要があれば治験の中止や変更が指示されますので、30日間経過してPMDAから何も指摘が行われない場合には、保健衛生上の危害がなかったと判断された、と考えることができます。すなわち、何も指摘がなかった場合には、治験を開始して良い、ということになりますので、治験機器の搬入や治験説明会を行うことができます。
治験届の14日ルール
続いて、「14日ルール」について見ていくことにしましょう。
前述した「保健衛生上の危害の発生を防止するために必要な調査が不要とする場合」とは、治験のやり直しを行う、という場合が該当します。この場合になぜ調査が不要なのかというと、初回に提出している治験計画届に記載された治験機器や治験薬と同じものを使用する、また治験計画内容の修正を行う場合も、修正内容が非常に限定的であるためです。
例として、初回の治験計画で計画通りに進めることができないケースがあったとします。この場合には戦略を練り直して新規の治験として再度届出を行うことになります。このように、2度目の治験計画届を提出するような場合には、前述したような「保健衛生上の危害の発生を防止するための必要な調査」は不要です。
治験のやり直しになってしまったら
上記で紹介したように、一度提出した治験計画通りに進められず、治験のやり直しを選択することがあります。この場合には2回目の治験届を提出することになりますが、事前にPMDA相談を行うことになります。
必ずPMDAに相談しなければならない、というわけではありませんが、PMDAの意見なしで治験届を届け出ることは考えられませんので、PDMA相談を行いましょう。PDMA相談の申し込みや書類の準備などには長い時間と大きなコストがかかりますので、しっかりと相談した上で治験届の届出を行ってください。
30日ルールと14日ルールの違いを理解することが大切
こちらのページでは、治験届における2つのルール、「30日ルール(30日調査)」と「14日ルール」の概要とそれぞれの違いについて解説してきました。
2つのルールがあると聞くと、自分たちが提出しようとしている治験届はどちらに当てはまるのか迷ってしまう方もいるかもしれませんが、「14日ルールは治験のやり直しが該当する」という点について理解をしておくことによって、どちらのルールが適用されるのかがすぐにわかります。ぜひ、30日ルールと14日ルールについて理解をし、治験をスムーズに進めていきましょう。また、治験のやり直しには多大なコストと数ヶ月単位の時間が必要となりますので、しっかりと知識を取り入れておくことをおすすめします。