治験の併用禁止薬とは

治験では併用禁止薬が設定されていることがあります。ここでは併用禁止薬とはどのようなものなのか、なぜ治験に併用禁止薬が定められているかなどについて解説します。

治験の併用禁止薬とは?

治験の併用禁止薬とは、治験薬と一緒に使うことを禁止されている薬のことです。治験薬の効果を増強・減弱する恐れがある薬剤または治験薬と同様の効果を持つ薬剤が併用禁止薬に指定されます。

併用禁止薬は治験ごとに設定が異なるため、治験の概要をしっかり確認しなくてはいけません。治験参加期間のうち一部の期間のみに併用禁止薬が設定されているケースや、治験開始時の用法・容量からの変更を不可とする併用制限薬が設定されているケースがあります。また場合によっては治験薬投与期間のみでなく、治験薬投与前や経過観察機関も含めて禁止としているケースもあるため注意が必要です。

併用禁止薬を使用してしまった場合、治験に参加できなくなるだけでなく、治験に関するデータが使用できなくなります。被験者のせっかくの好意も無駄になってしまうため、併用禁止薬をしっかり確認したうえで参加することが重要です。

治験に併用禁止薬が定められる理由

治験に併用禁止薬が定められる理由は主に2つです。

健康被害が出る恐れがある

治験に併用禁止薬が定められているのは、被験者の安全性確保のためです。薬を併用すると、薬物相互作用などにより薬の効果が増強・減弱することで、健康被害が出てしまう恐れがあります。

薬物相互作用とは、2種類以上の併用によって薬の作用が増強または減弱したり、副作用が生じることです。薬だけでなく飲食物も作用に影響することがあります。

治験データが正しく取れない

薬を併用すると治験データの有効性・安全性評価に影響を及ぼし、正しいデータが取れなくなる恐れがあります。併用薬が対象疾患に対して治療効果を持つ薬である場合、治療薬の効果を正しく判断することが難しくなるのです。治験薬の評価に影響を及ぼすことを回避するために、治験には併用禁止薬が定められます。

治験によって併用禁止薬が異なる

治験によって併用禁止薬の組み合わせや期間などが異なります。健康被害が出るのを回避するため、治験データを正しく取るためにも、モニターへの周知徹底が重要です。併用禁止薬を使用することのないよう、事前の措置を講じておくのが良いでしょう。

具体的には以下のような対策方法が挙げられます。

併用薬の情報収集の必要性について、十分な説明・指導を行うことが大切です。

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