治験の電子化

製薬業界では、「医薬品等の承認または許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について」のみを対象とし、社内における電磁的記録や電子署名の対処方法を検討しがちです。しかし、いわゆる「電子署名法」「e-文書法」「厚生労働省令第44号」等により、製薬業界にも電子化の波が来ています。

治験関連文書の電子化に係る関連法令・通知等

電子化に関する法律等には以下のものがあります。

これらの法律により、電磁的記録で作成・交付・保存したものがGCP実地調査の対象になります。

治験文書における電子化の状況

治験文書における電子化については、まず2013年11月下旬に立上げ準備として、規制当局、医療機関への協力要請を行い、計画の方向性を確定しました。そして2013年12月上旬に検討開始し、企業側参加者募集、正式発足・検討、実装への課題抽出、課題の分類、課題解決、SOPモデルの作成へと進行。

2014年9月上旬には実装開始し、事務局を残し検討会を解散。同年9月4日にSOPモデルの公開を行いました。各社での実装作業および事務局による進捗フォロー、導入における質疑等の受付、検討結果の公開、シンポジウムの開催を行いました。2014年12月に啓発開始し、How toの公開、導入効果の調査および結果公表となりました。

参照元:治験の電子化の状況|日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会 藤岡 慶壮

EDC管理について

EDCとは、治験データ・臨床研究データを紙媒体を介さず電子形式で収集することです。EDCを管理するための管理シートの構成は以下のとおりです。

EDC管理シートは、EDC手法を活用したデータの取得状況を効率的に確認するために提出します。また、EDC管理シートは、治験依頼者の自己点検ツールとして活用することもできます。

参照元:治験および調査における電磁的記録の利用について

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おすすめの治験管理
・支援システム
(CTMS)
【機能別】
おすすめシステム3選

被験者管理や進捗確認、文書対応、監査準備など、治験業務に伴う煩雑な作業を支援し、効率化と法規制対応を実現する治験支援システム。 ここでは、モニタリング・文書管理・EDCの主要機能別に、実績と信頼性のあるおすすめ3システムをご紹介します。

モニタリング業務向け
(治験の実施状況確認・報告)
QLIFICA
(SOLUMINA)
SOLUMINAのキャプチャ

画像引用元:SOLUMINA 公式HP(https://solumina.co.jp/service/#qlifica)

例えばこんな機能
  • 施設・症例・CRA単位で進捗をリアルタイムに見える化
  • チェック内容から報告書を自動作成、承認も一括完了
  • 課題の対応状況を履歴付きで一元管理、監査対応も容易
  • 複数施設の進捗と履歴を即時に把握し、作業漏れを防ぐ。
  • 文書・IRB・監査対応まで一括管理し、全体業務を効率化。
文書管理業務向け
(治験関連文書の保管・共有)
Agatha
(Agatha)
Agathaのキャプチャ

画像引用元:Agatha 公式HP(https://www.agathalife.com/)

例えばこんな機能
  • 文書ごとの承認状況をリアルタイムで一元管理
  • 電子原本として保管し、法規制や監査に対応
  • 試験や組織単位で柔軟に文書構成を設計・運用可能
  • 契約書や申請書類の承認・版管理を統一し、整合性と履歴を正確に管理
  • 原本性を保った電子保管で、GCP・ER/ES対応を文書単位で実現
EDC業務向け
(電子症例報告)
CapTool® シリーズ
(メビックス)
メビックスのキャプチャ

画像引用元:メビックス 公式HP(https://www2.mebix.co.jp/services/edc/)

例えばこんな機能
  • 入力内容に応じて画面項目を自動制御
  • 入力時に整合性エラーを即時にチェックして通知
  • クエリ対応履歴を一覧表示し進捗を共有
  • 入力作業がスムーズになり、記入ミスや作業ストレスを減らせる
  • DMや統計担当者とのやりとりが明確になり、確認・集計の手戻りがなくなる

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