治験施設支援機関(SMO)とは?
製薬会社が新薬を開発する際、新薬の人体に対する影響等を評価するために実施する治験。新薬の開発において、最も重要な工程の一つである治験ですが、SMO(治験施設支援機関 ・Site Management Organization)は、医療機関から
- 被験者への治験の目的および手順の説明
- 治験のスケジュール管理
- 各種データの収集・管理
といった業務を受託し、治験が「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP)」を遵守する形で行われるようにアシスタントする外部支援機関です。
以前のCGPと比較して、治験を行う際の各種基準をより厳しく定めた現行のCGPが平成10年に施行された結果、製薬会社は治験を海外で行うようになり、「治験の空洞化現象」が起きてしまいました。治験施設支援機関は、そうした状況を背景に施行された平成15年7月の改正GCP省令をきっかけに誕生しました。
治験施設支援機関(SMO)が担当する主な業務
治験施設支援機関が担当する業務としては、具体的には、以下のようなものがあります。
- 治験の開始するための補助業務
治験の手順書(SOP)の作成GCP対応書式の提供治験責任医師および分担医師・治験協力者への教育 - 治験の実施のための補助業務
治験事務局の立ち上げ・運営補助
治験事務局の教育 - 治験の妥当性等を審議するための、医学・薬学等の専門家からなる委員会「IRB(Institutional Review Board・治験審査委員会)」の設立および運営の補助
IRBの手順(SOP)の作成・提供
IRB委員およびIRB事務局の教育
IRB事務局補助(議事録や審査結果報告書等の作成) - CRC(治験コーディネーター)の教育と派遣
CRCの教育研修
CRC業務の補助
バックアップ体制の準備・確保
なお、これらの業務のほとんどは、治験施設支援機関 に所属し、治験施設支援機関 から医療機関に派遣されるCRC(治験コーディネーター)が担当します。