症例報告書(CRF)とは?

症例報告書(CRF)とは何か

症例報告書(CRF)とは、新薬開発のための臨床試験(治験)で活躍するスタッフ「治験コーディネーター」が作成する報告書のことです。

治験の実施期間中は、その薬が患者さんの健康にどのような影響を及ぼしているのかをデータとしてチェック・記録し、対象者の属性や健康状態をまとめて報告しなければなりません。

治験の効果が適切に得られているかどうかを正しく記入し、副作用の有無や症例なども厚生労働省に報告する必要があります。

CRFは治験の協力者のカルテなどからデータを集めて、治験コーディネーターが作成します。完成したあとは医師のチェックを受け、治験を依頼した企業などに提出します。

症例報告書(CRF)の記載内容

症例報告書(CRF)の記載内容は以下の通りです。

CRFには治験に臨んだ方のデータをまとめ、治験の効果や副作用を正確に記載します。医師の所見や総合的な評価も忘れずに盛り込み、どのような知見が得られたかを盛り込まなくてはなりません。

以前までは紙に記載する方法がとられていましたが、現在ではデータを一目で確認できるようにオンライン用の電子データが主流となっています。電子化されたCRFは「eCRF」と呼ばれています。

症例報告書(CRF)記入・提出時の注意点

症例報告書(CRF)記入・提出時の注意点をポイントごとにみていきましょう。

データの記録と保存

CRFは、紙のものは提出前にコピーを取って施設に保存するか、電子化されたものは電子媒体で適切に保管しなければなりません。

紙のCRFは郵送または手渡しで受け渡しを行い、FAXやスキャナーを経たメール添付などは行わないように注意します。

誤入力・データの訂正

CRFはさまざまなデータを扱うため、数値の誤入力が問題となっています。データの信頼性を高めるためのダブルエントリーシステムや、専用ツールを用いた入力ミスのチェックを経ることが大切です。

また、数値以外の記載については、医師や専門家以外の人が見てもわかるように記載する必要があります。データの訂正は提出期限までに行い、期日を守って受け渡しを行う必要があります。

品質管理に関する周知

CRFには患者さんの状況や治験で得られたデータが記載されていますが、リスクが含まれているケースもすくなくありません。

有害事象が報告されない、治験薬が取り違えられている、臨床検体(治験の協力者)の間違えなどが含まれていると、データの品質は落ちてしまいます。

そこで、これらのリスクを未然に予防するため、医師・スタッフなど治験に関わるすべての人に問題点を周知し、予防への意識を高めてもらう必要があります。

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おすすめの治験管理
・支援システム
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モニタリング業務向け
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SOLUMINAのキャプチャ

画像引用元:SOLUMINA 公式HP(https://solumina.co.jp/service/#qlifica)

例えばこんな機能
  • 施設・症例・CRA単位で進捗をリアルタイムに見える化
  • チェック内容から報告書を自動作成、承認も一括完了
  • 課題の対応状況を履歴付きで一元管理、監査対応も容易
  • 複数施設の進捗と履歴を即時に把握し、作業漏れを防ぐ。
  • 文書・IRB・監査対応まで一括管理し、全体業務を効率化。
文書管理業務向け
(治験関連文書の保管・共有)
Agatha
(Agatha)
Agathaのキャプチャ

画像引用元:Agatha 公式HP(https://www.agathalife.com/)

例えばこんな機能
  • 文書ごとの承認状況をリアルタイムで一元管理
  • 電子原本として保管し、法規制や監査に対応
  • 試験や組織単位で柔軟に文書構成を設計・運用可能
  • 契約書や申請書類の承認・版管理を統一し、整合性と履歴を正確に管理
  • 原本性を保った電子保管で、GCP・ER/ES対応を文書単位で実現
EDC業務向け
(電子症例報告)
CapTool® シリーズ
(メビックス)
メビックスのキャプチャ

画像引用元:メビックス 公式HP(https://www2.mebix.co.jp/services/edc/)

例えばこんな機能
  • 入力内容に応じて画面項目を自動制御
  • 入力時に整合性エラーを即時にチェックして通知
  • クエリ対応履歴を一覧表示し進捗を共有
  • 入力作業がスムーズになり、記入ミスや作業ストレスを減らせる
  • DMや統計担当者とのやりとりが明確になり、確認・集計の手戻りがなくなる

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