妊娠・授乳中の女性に対する治験

治験は様々な方を対象として行われていますが、妊娠や授乳中の女性でも参加できるのでしょうか。おさえておきたいポイントを解決します。

妊娠・授乳中の女性に対する治験は可能か?

基本的に、妊娠や授乳中の女性を対象としていない治験では参加できません。例えば、そもそも妊娠の可能性がない女性、または、可能性がある場合は医学的に認められている避妊法を使用している方のみを対象としている治験もあります。

どのように定められているかによっては、治験によって異なります。ほとんどのケースでは妊娠している方は対象とならず、仮に医薬品を投与している間に妊娠が発覚した場合は、治療を中断しなければなりません。ただ、これは安全に中断が可能な場合に限ります。

妊娠している方が治験できないのには、母体だけではなく、赤ちゃんへの影響も考えられるからです。そのため、治験参加時に妊娠していなかったとしても、治験期間中は継続して妊娠検査を受け、避妊もしなければなりません。 妊娠中の使用を目的とした医薬品の治験に参加する場合は、胎児などへの追跡調査を行うことが求められます。

授乳中の女性に対する臨床試験についても同様です。母乳を通して医薬品が排出される可能性もあるため、これを考慮した形で治験を進めていくことになります。もちろん、乳児への薬物の影響も観察が必要です。

妊娠・授乳中の女性に対する治験における注意点

妊娠中の方や授乳中の方は、そうでない方と状態が異なります。そのため、妊娠・授乳中の女性に治験を行う場合は、いくつか注意点があります。

治験前の注意点

治験前は、妊娠・授乳中に治験を受けることによってどのようなリスクや危険性などがあるのか十分説明が必要です。具体的にどのようなことが考えられるのかを正確に伝えることによって、本当に治験を受けるのかも含めて検討しやすくなるでしょう。

それを理解し、承諾した方に対してしか治験は行えません。説明する際は、ただ説明するのではなく、相手がきちんと理解できるように伝えることが重要です。また、妊婦に対する臨床試験では、生殖器毒性試験も必須です。

治験中の注意点

治験中に何らかの問題が発生してしまった場合、速やかに治療を中断しなければなりません。ただし、場合によっては治療の中断がさらなる悪影響を引き起こしてしまうようなケースもあります。どのような形で中断するのか、どのタイミングで中断するのかなどについては慎重な判断が必要です。

また、治験を受けている最中に調子を悪くしてしまったような場合、継続が困難になることもあります。特に妊娠中はつわりやお腹が大きくなる影響などもあり、妊娠していない方よりもストレスを感じたり、体調を崩したりしやすいです。

その中で治験を継続するのが困難になることもあります。無理をして治験を継続するのは良くないことなので、治験者の方が中止を検討したとき、それを伝えやすい環境づくりを行わなければなりません。医師には直接言い出しにくいケースもあるので、そういった場合は治験コーディネーターに相談できる環境を整えておきましょう。

治験後の注意点

治験後に継続して観察が必要な場合もあります。妊娠の状態だけではなく、胎児や小児に対して追跡調査を行うことになります。

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