新薬開発の流れ

新しい薬を創薬し、有効性や安全性を評価した上で販売するまでの流れには、様々な段階を踏む必要があります。最初の段階から薬を開発・販売するまでの期間は、およそ10年~18年かかるのが普通とされているのが現状。具体的な新薬開発の流れについて見ていきましょう。

基礎研究

新たなメカニズムに基づいた新薬開発を進めるために、まずは遺伝子やたんぱく質といった基本物質の中に新たな可能性があるか、分子・細胞レベルで追及・研究。将来的に薬になる可能性がある物質を探し出す過程となります。

薬の候補となる新規物質の発見や創製に2~3年程度の期間が要されます。新規化合物の合成や、標的分子の探索、スクリーニング、製剤課研究などが行われます。薬効に関する予備的な実験や文献などの調査を行った上で、薬効のある物質を選定し、候補を見つけていく過程です。

非臨床試験

薬物の有効性や安全性を確認するために、毒性や薬物の動態、薬効等の生物学的試験研究を3~5年にわたって行います。薬効薬理試験・薬物動態試験・安全性試験などがこの期間に行われる試験です。生物学的試験研究を、まずは人ではなく動物を用いて行っていきます。

また、医薬品製剤設計や工業化についての検討、試験法について開発するのもこの段階です。多角的な視点から試験し、治験を行うための薬品としての品質を保証する他、安全性や有効性について丁寧に洗い出していきます。

臨床試験

人における安全性の予測が確かめられたら、慎重な臨床試験として薬物の人での有用性・副作用の調査を含む安全性について試験を行います。「治験」という名前でも知られるこの臨床試験の期間は、約3~7年程度です。

治験は全部で3つのステップに分けて進められていきます。

フェーズ1では少数の健康な人を対象にして、副作用や安全性について確認します。フェーズ2では少数の患者を対象に、有効で安全な投薬量・投薬方法について確認。フェーズ3になると対象が多数の患者になり、有効性や安全性について、既存薬などと比較していきます。

承認と販売

約1年間にわたって、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)から承認審査が行われます。新薬の有効性や安全性について確認されると、ようやく製造・販売が許可されます。

厚生労働省による承認と薬価基準収載を経て、ようやく新薬として販売。入念な試験を繰り返すため長期間になるのです。

製造販売後調査

医薬品が販売された後も、医薬品としての有効性や安全性の調査のために、治験では得られない効果や副作用についての調査・試験が行われます。安全性や使用法について詳細に確認・報告。新薬販売後に副作用や事故などが公表されるのは、この調査によるものです。

臨床研究では、ある疾患に羅患している患者の状態について情報を集めることによって、性別や年齢・人種、合併症などの影響があるかどうか、他医薬品との組み合わせによる影響はどうかといった点も調査されます。

治験支援システム比較はこちらから

     治験支援システム PICK UP

このサイトをご覧なら、治験業務の負担を減らす支援システムの導入を検討中だと思います。治験のシステムといえば「CTMS(治験管理システム)」を連想するかもしれませんが、CTMSはマネジメントの要素が強いため、「モニタング業務の負担軽減」「文書管理を自動化したい」といった目的が他にあるのであれば、各目的に特化したシステムの導入も検討してみてはいかがでしょうか。運用目的にフォーカスされている分、より低コストで運用できる高機能なシステムが見つかるはずです。

特にニーズの高まっている3つの目的に関してピックアップしてご紹介します。

モニタリング業務の
負担を減らしたいなら

例えばこんな機能

●リアルタイムでデータ収集の進捗・逸脱を確認できる
●各施設・各患者の状況が一目でわかる
●モニタリング報告書がほぼ自動的に作成される

モニタリング業務システム
の比較はこちら

文書管理の
負担を減らしたいなら

例えばこんな機能

●各ガイドラインに沿った文書をほぼ自動で作成する
●電子署名や版管理機能などがあり文書をデータ上で管理できる
●PDFやExcelで出力できる

文書管理の負担軽減
システムの比較はこちら

EDCを導入したいなら

例えばこんな機能

●電子症例報告書(eCRF)の作成や既存データの転記ができる
●患者への説明や承諾を得る作業が同一システム内で完結できる

EDCシステム
の比較はこちら

関連ページ

CTMS Media ~国内の治験・臨床研究支援システム情報まとめサイト~

知っておきたい治験・臨床研究の基礎知識
症例報告書(CRF)とは?
治験で使用されるプラセボとは
治験の電子化