治験では、中間解析と呼ばれることが行われるケースがあります。ここでは、中間解析の詳細と中間解析レポート作成の流れ、試験終了を考慮する場合の対応について解説します。
治験の中間解析とは
治験における中間解析とは、治験の途中で行う解析のことであり、試験の早期中止が必要かを判断するためです。例えば、想定していたよりも早い段階で新薬の有効性が判明するようなことがあります。 それ以上試験を継続する必要がないほどのデータが取れた場合は、治験を早期中止するようなケースも少なくありません。 この反対についても同様で、これ以上試験を継続したとしても有効性が期待できないような場合に中間解析が行われ、継続するか判断することになります。
早期の段階で判断することにより、被験者の負担を抑えることが可能です。また、時間効率よく試験結果を判断することにより、新薬の開発をスムーズに行っていくことができます。
中間解析レポート作成の流れ
中間解析の結果は、レポートを作成して報告することになります。
まず行われるのが、レポートを作成する前の検討です。関係者を集め、十分な数のイベント数やサンプル数があるか、正しく審査ができるかなどについて検討しておかなければなりません。 初めから中間解析を実施すると決めてしまうのではなく、話し合いをしながら決定するのが一般的です。この試合の結果、目的に合わせた形での中間解析が難しいと判断されるようなケースもあります。 この場合、プロトコールの改訂について検討しなければなりません。
場合によっては、適切な時期にプロトコールの改訂を行うのが難しいような可能性も考えられます。こういった場合については、プロトコールの改訂が行えない理由を明らかにしたうえで効果安全性評価委員会に報告し、判断に従わなければなりません。
中間解析を行うことが決定したら、次に行うのは中間解析レポートの作成です。データセンターの中間解析担当統計家が担当することになり、その結果はデータセンター長に報告されます。
作成された中間解析レポートは、データセンターから効果安全評価委員会に提出されるのが一般的な流れです。作成されたレポートのほか、研究グループから提出されたさまざまな資料などを用いて効果安全性評価委員会が審査を行っていくことになります。
中間解析において試験終了を考慮する場合の対応
中間解析で試験の中止が決まった場合、適切な形で進めていく必要があります。まず行われるのが、効果安全性評価委員会から研究者に対する研究の中止勧告です。試験結果の公表が推奨されることになります。
その後、登録期間中の中間解析についてはJCOGデータセンターなどが患者登録システムの一時停止を行います。研究事務局側の対応としては、患者登録システムの一時停止についてグループに通知し、研究結果に対する無効中止・有効中止・その他の中止を伝える流れです。 臨床試験参加患者や候補患者に対し、不利益が生じないように配慮することも欠かせません。